
ウェブ向けプライバシー サンドボックスを Chrome で提供
本日、 Chrome はウェブ向けのプライバシー サンドボックスの重要な節目として、広告関連 API の提供を開始します。プライバシー保護をより強化するウェブの実現に向けた大きな一歩となるものです。
これまでの取り組み
Google は 2019 年に、ウェブ(および 2022 年に Android)でのユーザーのプライバシー保護を強化し、同時に企業がビジネスの成功を収めていくために必要なツールを提供するプライバシー サンドボックスの取り組みを開始しました。
それ以来、パブリッシャー、開発者、アドテク事業者、ユーザーなどのさまざまな関係者と協力し、この目標の達成に向けて新しいソリューションを設計、開発してきました。
私たちがこのような取り組みを行う背景には、プライバシーの保護を強化することだけでなく、情報へのアクセス(ニュースやハウツーガイド、面白い動画など)を維持することも同様に重要だという考えがあります。プライバシー サンドボックスのような、サードパーティー Cookie に代わるプライバシーが保護された実用的な代替手段がなければ、すべてのユーザーが情報にアクセスしにくくなるリスクがあり、またフィンガープリント(英語参照ページ)などのプライバシーの観点からは好ましくない隠されたトラッキング技術が広まる可能性があります。
プライバシー サンドボックス関連の API が 大半の Chrome ユーザーに対して利用可能になったことで、広告事業者や開発者は自身の製品やサービスにおいてこれらの新しい技術を大規模に利用できるようになります。

Link to Youtube Video (visible only when JS is disabled)
上記の動画を日本語で閲覧いただく際は、YouTube で自動翻訳を日本語に設定の上、ご覧いただきますようお願いいたします (字幕の設定はこちら)。
新たなユーザー コントロール
また Chrome では、プライバシー サンドボックスの機能をどう広告に活用するか、ユーザー自身で管理できるようにユーザー設定を改良しました。ユーザーは興味のある広告のトピックや、使用を許可する広告 API を選んで、広告体験をカスタマイズできます。
この機能は、Chrome の [設定] > [プライバシーとセキュリティ] > [広告プライバシー] で確認が可能です。また、広告プライバシーの新しい機能に関するさらなる情報もヘルプセンターでご確認いただけます。
業界との連携のメリット
ここまで来るには、業界全体の協力が不可欠でした。今日に至るまでこの技術に関わってくださったすべての皆様に感謝申し上げます。
これはオープンで無料のウェブに向けて広告のプライバシーをより安全にするための重要なステップですが、取り組みはここで終わりではありません。
ソリューションの実装と有効性テスト
ウェブ向けプライバシー サンドボックスの主要 API が Chrome で提供されたということは、これらの技術が安定しており、広告関連の事業用途において大規模に検証できる状態にあるということです。この段階に到達するまでに業界から幅広いフィードバックを受けてきているため、サードパーティ Cookie の段階的廃止の前に API に大きな変更を加える予定はありません。プライバシー サンドボックス関連 API を自社のソリューションに実装している企業は、その展開とテストを大規模に実施し、2024 年後半に予定されている Chrome でのサードパーティ Cookie の段階的廃止に対する準備状況を評価することができます。これには、英国の競争市場庁(CMA)に対する Google のコミットメントを遵守し協議しながら、プライバシー サンドボックスの有効性を評価するテスト、および Chrome が促進している特定のテスト グループが含まれます。
2023 年の第 4 四半期から、各企業がより踏み込んだテストが行えるように、一部ユーザーに対してサードパーティ Cookie 無効化のシミュレーションを行える機能を提供する予定です。そして 2024 年の第 1 四半期には、全 Chrome ユーザーの 1% に対してサードパーティ Cookie を無効にし、プライバシー サンドボックス関連 API の有効性をテストするために必要な環境をさらに提供していきます。
関連リソース
- Google for Developers ブログで関連記事「プライバシー サンドボックスの関連性と測定に関する API のリリース」を読む
- Google for Developers でドキュメントを参照する
- ウェブ向けの提案と API に関する詳細を読む
- 学習センターで動画と詳細を見る
