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広告キャンペーン レポートが記載されているクリップボード、折れ線グラフ、電卓、コーヒー カップ

サードパーティ Cookie の​ない​環境で​広告の​関連性を​最大限に​高める

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は​じめに

プライバシー サンドボックスは、​誰もが​アクセスできる​オープンで​無料の​インターネットの​世界を​維持しつつ、​ユーザーの​オンラインでの​プライバシーを​保護しながら、​デジタル ビジネスの​成功に​つながるツールを​企業や​開発者に​提供する​ことを​目的と​しています。​その​ため Google は、​広告業界と​連携して​プライバシーに​配慮した​新たな​広告テクノロジーへの​移行を​進めており、2024 年下期には​ Chrome での​サードパーティ Cookie の​サポートの​段階的に​廃止する​予定です。

プライバシー意識が​高まる​中、​プロダクト リーダー、​CTO、​CMO、​CEO など、​どの​立場に​おいても、​ビジネス成果と​ユーザープライバシーの​双方を​最適化できる​ソリューションを​用いて、​最善の​広告手法を​理解する​ことが​重要と​なっています。

2023 年は​間違いなく、​サードパーティ Cookie の​ない​時代に​備える​うえで​重要な年に​なるでしょう。​この​ガイドでは、​Cookie の​ない​未来に​おいて、​広告エコシステムが​どのように​関連性の​広告を​維持していくのかに​ついて​見ていきます。

  • 関連性の​高い​広告を​表示する​ために​使用する​データに​関して、​何が​変わるか
  • アドテク事業者が​展開している​サービスは、​サードパーティ Cookie なしで​どのように​インタレスト ベースの​広告を​提供できるか
  • 機械学習は、​プライバシーに​配慮した​シグナルを​用いて​どの​ように​パフォーマンスを​最大化できるか

関連性の​高い​広告を​表示する​ために​使用する​データに​関して、​何が​変わるのでしょうか

個人の​興味や​好みに​関する​情報を​使用して、​関連性の​高い​広告を​表示する​パーソナライズド広告は、​ユーザーが​見た​コンテンツ、​最近​見た​ウェブサイトの​パターン、​以前​アクセスした​特定の​ウェブサイトなど、​さまざまな​データを​シグナルと​して​使用し、​表示する​広告を​決定します。

現在こうした​シグナルには​主に、​個々の​デバイスに​固有の​サードパーティ Cookie など、​ウェブサイト間の​識別子が​使われています。​サードパーティ Cookie が​段階的に​廃止される​ことから、​関連性の​高い​広告を​表示する​際には、​プライバシーに​配慮した​シグナルを​利用する​よう進化する​必要が​あります。​ファースト パーティ データ、​コンテキスト シグナル、​プラットフォームが​提供する​プライバシー保護に​配慮した​API​( Topics API、​Protected Audience API ​(旧名FLEDGE)Attribution Reporting API など)を​使う​ことで、​ウェブサイト間の​トラッキングから​保護しながら、​広告業界では​欠かせない​ユースケースに​対応する​ことが​出来ます。

インタレスト ベース広告は、​エコシステム全体で​開発された​革新的な​テクノロジーを​通じて​継続し、​発展する​ことが​可能です。​こうした​テクノロジーに​よって​ユーザーの​データが​適切に​保護されるようになる​一方で、​広告は​引き​続き、​ダイナミックで​オープンな​ウェブに​対応して​成果を​あげる​ことができます。

長方形、三角形、円、そして長方形のすべてが一本の線で繋がっているイラスト

アドテク事業者は、​サードパーティ Cookie なしで​どのように​インタレスト ベース広告を​提供できるのでしょうか

現在、​インタレスト ベースの​広告主は​一般的に、​アドテク事業者を​通じて​キャンペーンに​以下のような​項目を​設定しています。

  1. 目標: 広告主が​この​広告キャンペーンで​達成しようと​している​ビジネス上の​成果が​何かを​表します。​それに​合わせて​アドテク事業者は​キャンペーンの​最適化を​します。​たとえば、​子供服の​売上を​ウェブサイトで​伸ばしたいと​考えている​広告主の​場合、​目標は​ウェブサイト間コンバージョン タグや​アトリビューション レポートを​通じて​測定されます。
  2. オーディエンス: 広告主が​訴求したい​人々を​表します。​広告プラットフォームは​広告主の​広告が​よく​マッチすると​考えられる​層に​向けて​広告を​配信します。​たとえば​広告主は、​子供服に​関して​現在購買意向の​強い​新規顧客に​訴求したいと​考える​ことが​予想されます。
  3. プレースメント: 広告主が​広告を​掲載しようと​考えている​ウェブサイトを​表します。​これに​よって、​広告が​掲載される​広告在庫や​広告在庫の​カテゴリが​決定されます。​たとえば​広告主は、​さまざまな​ウェブサイトに​広告を​掲載する​ことも​あれば、​希望する​オーディエンスに​訴求できる​ウェブサイトを​選択する​こともあります。
  4. 予算と​入札: 広告主の​総予算、​または​インプレッションの​配信、​広告クリック、​広告コンバージ​ョンのような​特定の​アクションに​かける​予算を​表します。​これに​より、​キャンペーンが​目標の​費用要件を​満たすように​設定されます。​たとえば​広告主は、​最大 1,000 ドルを​かけて​最大 2.00 ドルの​ CPM を​支払い、​対象オーディエンスと​特定の​ウェブサイトで​500,000 インプレッションを​実現したいと​いうような​内容です。

オーディエンス作成の​進化

サードパーティ Cookie の​廃止後、​アドテク事業者は、​自社の​プラットフォームで​関連性の​高い​広告を​配信する​ために​どう​対応していくか​考えるようになるでしょう。​現在は、​広告主の​製品や​サービスに​関心を​持つ可能性の​高い​ユーザーに​関連性の​高い​広告を​出しています。​広告主が​使用している​一般的な​オーディエンスには​次のような​ものが​あります。

  1. アフィニティ オーディエンス: ユーザーが​熱中している​ことや、​習慣、​興味に​基づいて​ユーザーに​訴求します。
  2. 購買意向の​強い​オーディエンス: 最近の​購入意向に​基づいて​ユーザーに​訴求します。
  3. リマーケティング オーディエンス: 広告主の​ウェブサイトに​以前​アクセスしたことがある​人に​訴求します。
  4. オーディエンス拡張: 他の​ウェブサイトで​特定の​媒体の​ユーザーに​訴求します。

サードパーティ Cookie の​サポートが​終了しても、​アドテク事業者は​引き​続き、​プライバシー サンドボックス関連の​ API を​含む新しい​アプローチで​こうした​オーディエンスを​活用する​ことができます。

アフィニティ オーディエンス

広告主は​現在、​アフィニティ​(興味、​関心)で​分類した​ユーザーに​訴求しており、​ほとんどの​場合サードパーティ データに​よる​セグメントを​活用しています。​これらの​オーディエンスは、​多くの​データ マーケットプレイスに​よって​提供され、​デマンドサイド プラットフォーム​( DSP)や​データマネジメントプラットフォーム​( DMP)などの​チャネルを​通じて​広告テクノロジー エコシステム全体で​有効に​なるよう配信されます。

こうした​セグメントは​通常、​サードパーティ Cookie を​使用して​個人を​トラッキングし、​その​後​ユーザーが​カテゴリの​対象かを​判断する​独自の​手法に​基づいて​ユーザーを​グループ化して​構築されます。

サードパーティ Cookie の​廃止後、​アフィニティに​基づきオーディエンスを​選択する​方​法は、​他の​さまざまな​シグナルを​使用して​ユーザーを​任意の​オーディエンスに​含める​方​法に​進化していきます。​プライバシー サンドボックスでは、​以下のような​プライバシー保護に​関する​API を​使用して、​これを​行うことができます。

  • Topics API: この​ API は​ユーザーが​最近​アクセスした​ウェブサイトの​種類に​基づいて、​ユーザーの​興味や​関心​(トピック)を​一般的に​知られた​方​法で​標準化された​分類で、​デバイス上にて提供します。​アドテク事業者が​Topics API を​呼び出す​ことで、​ユーザーの​興味や​関心を​取得する​ことができます。​この​際 API では、​プライバシー保護の​ため、​考慮する​閲覧履歴期間、​トピックに​アクセスできる​ソリューション プロバイダ、​返すトピックの​数などを​制限しています。​この​API は、​パブリッシャーとの​直接的な​関係や​コンテキスト最適化機能を​持たない​広告技術を​利用している​場合に​特に​有効です。

  • Topics API と​コンテキスト データ: ユーザーの​トピックと​ページの​コンテキストを​比較して​ユーザーの​アフィニティを​さらに​深く​推定すると​いう​高度な​方​法も​あります。​たとえば​アドテク事業者が​展開している​サービスは、​特定の​トピック​(アウトドア活動など)に​興味を​持つ人は​特定の​カテゴリの​ページ​(グリル料理に​関する​ウェブサイトなど)に​アクセスする​傾向が​強い​ことを​学習するかもしれません。​機械学習モデルを​トレーニングする​ことで、​Topics API で​「BBQ と​グリル料理」が​トピックと​して​返されなくても、​「アウトドア活動」の​ウェブサイトの​訪問者が​グリル料理に​興味を​持っている​可能性が​あると​予測できるのです。​この​方法は、​広告主側の​アドテク事業社​(DSP)に​コンテキスト最適化機能が​ある​場合に​特に​機能します。

  • Protected Audience API: アドテク事業者は​この​ API を​使用して、​「家族で​楽しめる​冒険に​興味が​ある」など、​ウェブページの​訪問者を​特定の​セグメントの​メンバーと​して​ラベル付けして​オーディエンス セグメントを​作成する​ことができます。​「家族で​楽しめる​冒険」に​関連する​他の​ウェブサイトが​パートナー ネットワークに​ある​場合、​アドテク事業者が​そうした​ウェブサイトの​訪問者を​こちらの​同一セグメントに​追加する​ことも​できます。

    Protected Audience は、​オーディエンス セグメントへの​ユーザーの​割り​当てを​デバイス上に​保持し、​同じ​ユーザーが​複数の​インタレスト グループに​属しているか​どうかを​アドテク事業者が​展開している​サービスに​共有しないため、​ウェブサイト間での​トラッキングが​制限でき、​ユーザーの​プライバシーが​守られます。​この​API は、​アドテク事業者に​ウェブサイト提携の​ネットワークが​ある​場合に​特に​有効です。

アドテク事業者が​展開している​サービスは​このような​方​法で、​ウェブサイト間の​ユーザー識別子を​使用せず、​拡張した​アフィニティ オーディエンス セグメントを​利用する​ことができます。​また、​利用する​手法を​1 つ​手法に​限定する​必要は​ありません。​パブリッシャーや​広告主との​関係、​機械学習の​能力に​よって​差別化する​ことができる​可能性が​あります。

購買意向の​強い​オーディエンス

広告主は​現在、​「アフィニティ」に​基づいて​オーディエンスに​訴求しているように、​サードパーティ Cookie に​保持された​セグメントを​使用して​「購買意向の​強い​オーディエンス」​(​「購入意向」とも​いいます)と​して​分類される​ユーザーに​訴求しています。​ユーザーが​「調理器具」のような​製品に​関して、​購買意向の​強い​オーディエンスに​分類されるか、​単に​料理に​興味が​あるだけと​判断されるかは、​アドテク事業者固有の​分類と​手法に​よって​決まります。

サードパーティ Cookie が​廃止された​後、​プライバシー保護を​強化した​API は​購買意向の​強い​オーディエンスの​作成に​使用する​新しい​シグナルを​提供します。​代わりの​方​法には​次のような​ものが​あります。

  • Topics API: この​ API を​購買意向の​強い​オーディエンスに​使用すると、​アフィニティ オーディエンスに​使用する​場合と​同様、​広く​知られた​方​法と​分類に​基づき、​デバイス上で​特定の​ユーザーの​購入意向を​推定できる​トピックが​返されます。​こうした​トピックを​生成する​ために​使われる​閲覧履歴を​3 週間に​する​ことで、​アドテク事業者が​利用できる​データの​総量を​制限して​ユーザーの​プライバシーを​保護します。​しかし、​製品や​サービスの​カテゴリが​異なれば​検討する​サイクルも​数日から​数か月と​異なります。​よって、​この​API は、​お客様の​購入サイクルと​Topics API の​使用する​閲覧履歴の​期間が​合致する​広告主に​役立ちます。

  • Protected Audience API: アフィニティの​場合と​同様に、​アドテク事業者が​展開している​サービスは​この​API を​通じて​「購買意向の​強い​自動車購入者」などの​独自の​セグメントを​作成できます。​アドテク事業者は、​「購買意向の​強い​自動車購入者」に​関連する​他の​ウェブサイトが​パートナー ネットワークに​ある​場合、​ウェブサイト間で​ユーザーの​プライバシーを​保護しつつ、​そうした​ウェブサイトの​訪問者を​同一セグメントに​追加する​ことができます。​Protected Audience は、​パブリッシャーと​広告主に​直接的な​関係が​ありデータの​連携が​でき、​かつ Topics API を​使用した​場合よりも​カスタマイズの​幅を​広く​する​必要が​ある​時に​特に​有効です。

  • Topics API と​ Attribution Reporting API: Topics API と​ Attribution Reporting API を​組み合わせる​ことで、​購入などの​特定の​コンバージ​ョンに​マッピングされる​トピックの​リストを​拡張し、​購買意向の​強い​オーディエンスに​訴求する​手段を​増やすことができます。

    た​とえば、​分析システムや​機械学習システムに​よって、​スキューバ ダイビング器材の​広告を​見て​購入した​ユーザーには​「ビーチ、​島」や​「釣り」の​トピックが​関連付けられている​ことが​非常に​多いと​いう​ことが​明らかに​なる​可能性が​あります。​アドテク事業者が​展開している​サービスは、​この​インサイトを​もとに、​この​2 つの​トピックに​関連する​ユーザーを​選択して​「スキューバ ダイビング器具の​購買意向の​強い​オーディエンス」への​訴求を​広げる​ことができます。​この​場合、​Attribution Reporting は​トピックと​コンバージ​ョンの​関連性に​ついての​集計コンバージョン データに​ノイズを​追加した形で​提供する​ことで​ユーザーの​プライバシーを​保護します。

    この​アプローチは、​アドテク事業者が​コンテキスト データを​あまり​持っていない​一方で、​機械​学習や​堅固な​データ サイエンスと​分析能力を​備えていると​いう​場合に​有効です。

  • コンテキスト データと​ Attribution Reporting API: アドテク事業者が​展開している​サービスは​この​API を​使用して、​広告が​表示される​ページの​コンテキスト分類、​広告主と​製品の​分類、​Attribution Reporting の​データを​活用して、​特定の​種類の​製品や​サービスを​購入する​意向が​強い​場合に​好まれる​ウェブサイトの​トレンドや​パターンを​明らかに​する​ことができます。​この​データの​組み合わせに​より、​たとえば、​家族で​楽しめる​アクティビティに​ついての​ウェブページを​見る​人は、​アウトドア用の​衣服も​購入する​意向が​強い​可能性が​高い」と​いった​インサイトが​得られる​可能性が​あります。

こうした​方​法は、​アドテク事業者が​展開している​サービスが​ウェブサイト間の​ユーザー識別子を​使用せずに​オーディエンス セグメントを​創造的な​方法で​拡張して​カスタマイズする​ほんの​一例です。​さらに​より​良い​結果を​得る​ために、​自社データや、​プライバシー保護に​関する​API の​他の​組み合わせなど、​より​多くの​シグナルを​統合する​ことも​可能です。​アドテク事業者は、​オーディエンス構築、​固有の​データの​保護、​優れた​機械学習機能の​開発などさまざまな​アプローチを​取る​ことで​差別化できる​可能性が​あります。

リマーケティング オーディエンス

現在、​広告主は​自社ウェブサイトに​ユーザーが​訪問した​際、​ブラウザに​サードパーティ Cookie を​設定する​ことで、​その​Cookie が​別の​ウェブサイトで​確認された​ときに、​入札して​ブラウザに​広告を​表示する​リマーケティングを​行っています。​この​リマーケティングで、​広告主は​自社ウェブサイトに​以前​アクセスした​ことの​ある​ユーザーに​再度訴求する​ことができます。​アドテク事業者の​サービスでは、​ウェブサイト全体での​ユーザーの​アクティビティに​基づき、​特定の​ウェブサイト向けに​さまざまな​リマーケティング セグメントを​作成できます。

サードパーティ Cookie が​終了しても、​アドテク事業者が​展開している​サービスは​Protected Audience API を​使って​リマーケティングの​ユースケースに​対応できます。

  • Protected Audience API: アドテク事業者が​展開している​サービスは、​ユーザーの​アクティビティに​応じて​インタレスト グループを​作成する​ことで、​特定の​ウェブサイトに​対する​カスタマイズされた​リマーケティング セグメントを​作成できます。​前出の​Protected Audience の​ユースケースでは、​アドテク事業者は​複数の​ウェブサイトから​非常に​大規模な​オーディエンスを​構築していました。​この​ユースケースでは、​過去の​訪問者に​再度​働きかけようと​している​ウェブサイトは​1 つだけであり、​Protected Audience に​よる​プライバシー保護が​組み込まれていない​場合は、​ウェブサイトでの​個人の​特定に​つながる​おそれが​あります。​この​API は、​効果的な​オーディエンス リマーケティングを​可能すると​同時に、​十分な​人数が​広告の​表示対象と​なるよう k-匿名性の​しきい値を​設定する​ことで​個人の​プライバシーを​保護します。

広告主は、​サードパーティ Cookie が​なくても、​プライバシー サンドボックスを​通じて​リマーケティングの​ために​第三者の​さまざまな​ウェブサイトで​自社データを​使用できます。

オーディエンス拡張

広告主は、​特定の​パブリッシャーの​ウェブサイトを​訪れた​オーディエンスが​他の​ウェブサイトを​閲覧している​際に、​さらに​メッセージを​届けたいと​望むことがあります。​オーディエンス拡張は、​パブリッシャーの​オーディエンスを​他の​ウェブサイトで​探すことに​よって​拡張し、​同じ​オーディエンスへの​接触頻度や​訴求を​増やすプロセスです。​オーディエンス拡張を​使用すると、​パブリッシャーは、​アフィニティ​(ゴルファーなど)や​ユーザー属性​(年齢層など)と​いった​オーディエンス セグメントを​広告主に​提供でき、​広告主は、​その​オーディエンスを​他の​ウェブサイトでも​探せるようになります。​オーディエンス拡張は、​広告主が​小売店の​ウェブサイトや​その​他ウェブサイトで​買い物を​する​消費者に​訴求して​製品の​認知度を​高めたい​場合にも​使用されます。

下記のような​形で、​サードパーティ Cookie 廃止後も​パブリッシャーの​オーディエンスを​拡張できます。

  • Protected Audience  API: アドテク事業者が​展開している​サービスは、​ウェブサイトの​特定部​分​(旅行など)を​閲覧すると​いった​ユーザー アクションに​応じて​インタレスト グループを​作成する​ことで、​ウェブサイトに​対する​カスタム オーディエンス拡張セグメントを​作成できます。​この​プロセスは​事実上リマーケティングと​同様であり、​k-匿名性の​しきい値を​設定する​ことに​よる​プライバシー保護を​提供する​ものです。​これは、​広告主が​パブリッシャーの​ファーストパーティの​オーディエンス データを​重視していても、​その​パブリッシャーの​ウェブサイトで​十分な​広告在庫を​確保できない​場合に​適しています。
つまみ、ライト、レバーを備えた機械の図。上部から機械学習を表すアイコンが出ている。

機械学習は、​プライバシーに​配慮した​シグナルを​用いて​どの​ように​パフォーマンスを​最大化できるか

サードパーティ Cookie が​廃止された​後、​広告主は​プライバシーに​配慮した​シグナルと​機械学習を​どのように​使用すれば​最善の​成果が​得られるかを​検討する​ことが​必要に​なってきます。

自動化で​広告主の​成果を​高める

大半の​アドテク事業者が​展開している​サービスではさまざまな​手動と​自動の​キャンペーン最適化手段が​提供されています。

手動対応の​頻度が​高い​ソリューションでは、​広告主は、​希望する​オーディエンス、​プレースメント、​入札を​指定し、​その​入力の​範囲内に​収める​必要が​あります。​手動での​セットアップでは​広告主が​確実に​コントロールする​ことができますが、​パフォーマンスの​高い​オーディエンスと​プレースメントを​広告主が​すべて​把握する​必要が​ある​場合、​または​関係する​すべての​変数を​考慮して​インプレッションごとに​理論的に​最適な​入札単価を​予測する​ことができない​場合、​最適ではない​結果に​陥る​可能性が​あります。

自動化が​進んでいる​ソリューションでは、​広告主は​希望する​ビジネス上の​成果​(コンバージョン単価/売上が​2 ドルなど)を​指定し、​パフォーマンスの​高い​オーディエンスと​プレースメントや、​希望する​目標を​達成する​ために​適した​入札単価を、​機械学習を​使用して​見つける​事が​できます。​この​場合、​予算と​目標以外、​アドテク事業者が​展開している​サービスに​制約は​ほぼありません。​広告主に​よる​オーディエンスの​選択は​「提案」や​「出発点」と​して​考慮されるかもしれませんが、​機械学習は​人間には​判別できないような、​利用可能な​あらゆる​データの​中から​パターンを​探し出します。

機械学習は​こうした​パターンを​使用して、​さらに​関連性の​高い​オーディエンスを​追加し、​その​オーディエンスの​予測される​パフォーマンスに​基づいて​入札単価を​調整して​パフォーマンスを​最適化します。​プライバシー サンドボックスは、​サードパーティ Cookie 廃止後に​機械学習に​利用できるさまざまな​シグナル提供元の​うちの​一つです。​機械学習は、​期間、​時間帯、​キャンペーン、​さらには​広告主に​わたって、​すべての​最適な​オーディエンス、​プレースメント、​入札単価に​ついて​継続的に​試行と​学習を​繰り返して​広告の​パフォーマンスを​最大化します。

オーディエンス、​プレースメント、​入札単価を​広告主が​管理する​必要性を​減らす​ことで、​広告主の​負荷を​軽減し、​機械学習システムで​最善の​成果を​あげる​ことができます。​広告テクノロジーの​自動ソリューションに​対する​投資は、​広告主に​メリットが​あるだけでなく、​サードパーティ Cookie からの​移行にも​役立ちます。

機械学習の​ための​その​他の​シグナル

アドテク事業者が​展開している​サービスは、​広告を​配信する​ために​入札するか​どうかを​判断する​際、​常に​複数の​シグナルを​考慮してきました。​ウェブサイト間 Cookie トラッキングが​なくなっても、​アドテク事業者は、​機械学習で​利用可能な、​プライバシーに​配慮した​あらゆる​シグナルを​活用して​コンバージ​ョンなどの​ビジネス上の​成果を​予測できます。​以下のような​プライバシーに​配慮した​シグナルは、​現在過小評価される​こともありますが、​今後​サードパーティ Cookie が​なくなると、​広告の​効果に​大きく​貢献する​可能性が​あります。

  1. 広告クリエイティブの​特徴: 広告クリエイティブを​テキスト、​画像、​デザインなどの​要素で​分析すると、​広告の​主題や、​テキストが​多く​含まれているか​どうかなど、​特定の​オーディエンスや​特定の​ページでの​パフォーマンスを​予測できることがあります。
  2. 自社データ​(ファーストパーティーデータ)​: パブリッシャー、​マーケター、​小売店の​ネットワークは、販売者定義の​オーディエンス​(英語)など、​自社データの​識別子と​セグメントの​構築を​進めています。​ある​ウェブサイトに​おける​ユーザーの​長期的な​行動を​把握する​ことで、​ウェブサイト間の​プロファイリングを​行わなくても、​その​ウェブサイトの​ユーザーまたは​セグメントに​最適な​広告が​どのような​ものなのかを​適切に​予測できます。​パブリッシャーは​自社データを​使う​ことで、​すべての​自社ウェブサイトに​おいて​入札を​改善する​ことができます。​これら​ウェブサイトに​おける​入札を​改善する​ことで、​キャンペーン全体の​パフォーマンスを​累積的に​高める​ことができます。

アドテク事業者が​展開している​サービスは、​コンテキスト データ、​クリエイティブ データ、​自社データに​加えて、​機械​学習や、​プライバシー保護を​強化した​API からの​プライバシーに​配慮した​シグナルなど、​利用可能な​すべての​ツールを​組み合わせる​ことで​最善の​結果を​得る​ことができます。

おわりに

サードパーティ Cookie が​段階的に​廃止された​後、​消費者が​望むとおりの​プライバシー保護を​受けられ、​同時に​広告業界が​引き​続き関連性の​高い​広告を​配信できることが​重要です。​プライバシー サンドボックスのような​新たな​ツールで​ソリューションを​構築する​ことは​決して​簡単では​ありませんが、​Google は​移行期間中も​引き​続き業界全体を​サポートしていきます。

Google が​推奨する​今後の​対応を​以下に​まとめます。

  1. サードパーティ Cookie が​なくなった後、​一般的な​インタレスト ベースの​広告ユースケースに​対応する​ため、​Topics、​Protected Audience、​Attribution Reporting などの​プライバシー保護を​強化した​API を​アドテク事業者が​展開している​サービスに​組み込む投資を​行う。
  2. プライバシーに​配慮した​他の​シグナル​(パブリッシャーの​自社データを​含む)と​組み合わせて​プライバシー サンドボックス関連の​ API を​テストし、​将来的な​パフォーマンスを​把握して​戦略に​活かす。
  3. プライバシーに​配慮した、​利用可能な​すべての​データを​機械学習で​使用できるようにし、​学習と​最適化の​自由度を​可能な​限り​高くして​パフォーマンスを​最大限に​高める。

プライバシー サンドボックス関連の​ API を​使用する​ことで、​広告テクノロジー業界は​ターゲティングと​入札に​関する​多くの​重要な​機能を​備える​ことができます。​一方、​このような​API の​ほかにも、​プライバシーの​保護に​関する​シグナルを​追加で​組み込んで​まとめて​導入する​ことには​数多くの​メリットが​あります。

イノベーションは、​デジタル広告業界の​ DNA に​刻まれています。​関連性の​高い​広告に​対する​既存の​アプローチを​進化させる​ことで、​サードパーティ Cookie から、​今よりも​プライバシーに​配慮し、​かつ、​パフォーマンスの​高い​ウェブへの​移行を​成功させる​ことができるのです。